大学入試新テスト案

松原です。
 本日の各新聞朝刊では,大学入試の中央教育審議会のの答申として大学入試改革案が出されたことを報じています。大学教員としては,興味津々ですが,理念はともかく,困難な課題が多いことが心配です。知識偏重からの脱却が主要な狙いで,「高校基礎学力テスト」「大学入学希望者学力評価テスト」が導入されることが大きな変更ですが,さらに各大学の個別入試では小論文や面接で,主体的に学ぶ姿勢や問題を発見,解決する能力を評価することになっています。大学関係者としては,『主体的に学ぶ姿勢や問題を発見,解決する能力』を評価することの困難さがなにより心配です。これらの能力は入学前に評価するよりも,入学後に我々がそのように教育するべき課題のようにも思います。面接は,院入試,編入試,推薦入試で実施していますが,学科試験と比較して,より難しい選考方法だと感じています。ましてや,一般入試となると対象者の数も大幅に増えますし,採点の絶対性をどうやって担保できるか,説明責任を揺るぎなく果たせるか,等々困難な課題が頭をよぎります。「この学生はあの学生よりも,『主体的に学ぶ姿勢や問題を発見,解決する能力』が高い」と判断するのにどんな試験をどれだけの時間かけてやればよいのか,です。現在の入試方法が,それほどまずいのか,とも思います。


 次年度のシラバスの入力の時期になりましたが,僕は「建築環境工学」の教科書の変更を検討中です。いろいろと買いそろえて,見比べていますが,それぞれ一長一短があり,難しいです。冊子のサイズもA5からA4まで,変形版も含めていろいろあります。