自然環境の心理

松原です。
 そろそろメンバーの誰かが「記事を書く」かな,と思っていますが,まだのようです。
 
 環境デザイン学科には,ランドスケープ分野があり,自然や植物の研究をされていますが,建築環境の側からの研究も必要です。環境デザイン学科が発足した1997年には,R.Ulrich先生(米国 テキサスA&M大学)が来訪され,府大で講演会を開催しました。下村孝先生が中心となって主催をされ,僕が司会をしました(日本語で)。Ulrich先生は,人間は遺伝子レベルで自然,植物に好感をもっているという考えです。Ulrich先生には,夜の懇親会とその後のカラオケにもつきあっていただきました。1984年のScienceに掲載された論文で,同一の手術で入院した患者のうち,病室から緑の見える人と,煉瓦の壁しか見えない人を比較すると,退院までの日数が前者は有意に短い,鎮痛剤の使用も有意に少ない,という結果を報告しています。その後も,自然環境には癒しの効果もある,という研究が,いろいろと進んでいるようです。
 
 下は8月の高台寺の見学の写真ですが,学ぶと同時に,参加者が癒されたように感じたわけです。