論文の被引用回数

松原です。
 研究室で,研究論文を書くことは当然なのですが,研究の背景・目的の中で,既往研究・先行研究をできるだけ幅広く引用・参照することが必要です。自分の関心のある最新の論文を見つければ,その参考文献をたどっていけば,そのテーマに関する歴史的な経過や過去の重要な論文が網羅される,というわけです。
 研究者の業績評価においても,審査論文の質・量に加えて,その論文が多くの研究者に引用されているか,ということも問題にされます。CiNiiのCiはCitationという言葉からつけられたのだと思います。自然科学系の分野では,大部分を英語で発表することになるので,英語での検索になりますが,我々のような,生活科学・工学などの分野では,まずは日本語で発表し,後に英語で,ということが多いので,日本語の論文での被引用回数も問われます。具体的な方法としては,ある研究者の氏名で検索をして,その表示方法を,右上のメニューで「被引用件数降順」を選べば,その研究者の論文が被引用件数の多い順にリストアップされます。厳密に言えば,著者自身の引用をのぞくということになるのですが,およそは,この手順で,どの程度引用されているか,がわかります。

 冒頭に,「参考・引用文献をたどっていけば,歴史的経過がわかる」,と書きましたが,分野によっては,参考・引用文献が非常に恣意的で,自分の研究室の文献しか引用しない,特定の大学・研究室を排除する,という場合もあります。そのような中から,的確な情報を取捨選択する能力も問われているのだと思います(文献引用が恣意的な分野自体が,淘汰されていくだろうと思いますが)。学問の世界は,恣意的であってはならないと思います。

 ところで,先日の生気象学会では,久しぶりの東京宿泊で,「水道橋」の東京ドームの近くのホテルに泊まりました。