建築文化講演会

松原です。
 本日,滋賀県建築設計家協会主催の表記講演会(琵琶湖ホテル)に行ってきました。2日の「打ち上げ」が終わってからも,準備をしていたのは,このためです。「人間生活,地球環境,建築」と題して,これまでの研究室の研究内容を元にして,一定の見解を述べてきました。レジュメの要約には「よい建築を設計するために,人間の生物的および社会的特性を知ることには価値がある。地球環境時代の人間(社会)にとって,よい建築とは何か,を考えるきっかけになればありがたい。」と書いておきました。やや推敲の不足した文章ですが,僕の正直な気持ちです。あるパラダイムの元で,ベストな解を求めて,多くの研究者・技術者が必死に頑張っているのですが,そのパラダイムで仮定されている枠組みが必ずしも正しくないと,よい方向に向かって走っているとは言えない場合もあります。
 院生時代の読書の中で,南博著「行動理論史」は非常に大きなインパクトを受けたのですが,いつの間にか行方不明になっていました。一旦絶版になっていたようですが,数ヶ月前に,復刻していることを知り,購入して,もう一度興奮してみたいと思っています。生理心理的人間モデルと社会的人間モデルを一連の行動理論の中に位置づけていることに衝撃を受けた記憶があります。と思いつつ,一日また一日が過ぎていきますので,意識的に時間をとらなくては,と思います。
 講演会が終わったので,少しホッとしていますが,建築学会近畿支部,建築大会に投稿する人の指導に加えて,受理された論文の版下作成,投稿予定の4編ほどの論文の執筆・助言等々はこれからです。
 大津は京都に非常に近いのですが,滋賀県では近江八幡,長浜,堅田,石山などには行っていますが,大津の駅で降りたことは少ないことに気づきました。駅前にある,今や世界で有用する「KOBAN」です。

 会場の琵琶湖ホテルです。全景を撮影するポジションを経由するには,時間の余裕がなかったので,アクセス方向から撮影しました。シーザーペリ+竹中工務店だそうです。確かに,この色使いは,日本人の設計者ではないだろうと思いました。