国語のリスニング

松原です。 
 本日付け,京都新聞の夕刊に「国語のリスニング拡大 京都の小中学校」という記事があります。「聞く力」の育成が必要な理由について,黒板の内容を写していても,実は頭に入っていない生徒が増えたため,と磯谷先生(修学院中学校)の発言を紹介しています。インターネットで調べられること,興味のないことに無関心な傾向がこのような原因だろうとの推測に続けて,「学校がコミュニケーション力を育まないといけない」と述べておられます。我田引水的に聞こえるかも知れませんが,僕は,非常に納得して読みました。言語力,コミュニケーション力を最重視したいゼミの教員としては,「聞く力」を高めようという主旨に反応してしまったというところです。
 大学生の中にも,メールは大丈夫だけど,電話は苦手という人もいます。メールと違って,電話は即断即答しなければいけないからだそうです。また,講義内容への意見,感想,質問などを毎時間かいてもらっていますが,年々紙が白く見えるようになっています。漢字が減ってきて,「きんちょうします」などと書く人もいます。先が思いやられると思いつつ,低下傾向は続いています。先日来,このブログでは国際共通語としての英語のことを話題にしていましたが,学力を高めるためには,言語を利用してしっかりとものを考える力を養う必要があります。もっとも得意な言語である日本語の力が十分で無ければ,当然学力は伸びません。また,小学校で英語を教えることには,疑問を感じています。十分にものを考えるにたる日本語力をつけることを阻害するのではないか,と心配をしています。もちろん,英語力も非常に重要なのですが,国語力がある程度身についてから習得することがよいのではないか,と考えています。

 1月の撮影した賀茂川の流れです。単なる水の流れも,人間の受けとめ方としては,ポジティブであることが多いようです。