第11回感覚・知覚心理シンポジウム

松原です。
 6/2に表記のシンポジウムが開催され,講演をしました。少し疲れが出たのか,更新が遅れました。ここ数回は,この準備のことだけでしたが,十分な手応えがあったと思います。主に熱環境の評価基準として,快適性が用いられてきた歴史的経緯,評価尺度の変遷,評価基準の多様性およびその相互関係は,60年代から論じられていたこと,等等を紹介しました。田辺先生が,「アウェアーの雰囲気ですね」と苦笑いしておられたのが印象的でした。知的生産性が低下するような環境であってはいけない、と言う内容でしたが,『空調が導入される以前は,現在よりも圧倒的に知的生産性が低かったのだろうか』,とふと考え込んでしまいました。みなさんも考えて見て下さい。コメント待っています。
 
建築空間における感覚・知覚心理シンポジウム (第 11 回)
「快適?健康?プロダクティビティ?  建築環境のめざすべきところは...」
・日時 2012年6月2日(土) 13:00~17:10
・会場 大阪市立大学文化交流センター(大阪市北区梅田1-2-2-600 大阪駅前第2ビル6F)
主旨説明/西名大作(広島大学)
第1部:講演
  司会/光田 恵(大同大学)
 (1) 環境制御目標としての快適性 松原斎樹(京都府立大学)
 (2) なぜ,プロダクティビティか 田辺新一(早稲田大学)
 (3) 室内空気環境とプロダクティビティ 伊藤一秀(九州大学)
 (4) 健康な住まいの温熱環境 都築和代(産業技術総合研究所)
第2部:討論並びにQ&A
  司会/山中俊夫(大阪大学)


 「写真の解説」
 飛田先生が撮影してくれた僕の講演写真です。今回は,歴史的な内容が中心だったので,Jay(1966)の人間モデルのことも紹介しました。学者や建築家がそれぞれ,自分が対象とする分野で「人間」はこんな考え方をするものであるというモデルを持っているというお話です。短いスパンで成果・成果と言われない時代には,落ち着いて考えられた仕事が多いと思います。