生気象学会(2日目)

松原です。
 昨日,生気象学会2日目の午前は,ミニシンポジウム「小布施見にマラソン2015」で始まりました。この季節にマラソンをすること自体が危険であるということから,スタートを6時に早める,医療チームを編成してランナーとして走って,救護の体制をするなどの工夫をしておられたのですが,それでも,熱中症の発症を防ぐことはできなかったという報告もありました。16Km地点で転落,というご自身の体験を報告された藤田先生は,16Km地点以後搬送された病院までの記憶は戻っていないとのことでした。この企画がなされたきっかけは,2020東京オリンピックが8月に開催されることですが,生気象学に関心のある人であれば,東京の8月のフルマラソンは,無謀としか言いようがないわけです。
 午後のシンポジウム「気候変動と生気象」は,IPCCの報告の内容の解説的な報告,黄砂・PM2.5 などを巡る最先端の話題で,勉強になりました。最後の一般口演のセッションでは,堀越先生の「市民参加による名古屋市全域にわたる気温測定」は,とりわけ注目されました。市民の活動として名古屋市全域で300点もの同時測定を実行されたことには驚きを禁じ得ません。京都でもこれができると,鴨川や御所・植物園,寺社仏閣等の気候学的な価値が示せるだろうと思います。

名古屋気温測定調査2015
http://www.n-kd.jp/content/files/koza15s/A-01.pdf