学生の感想に教えられること

松原です。
 授業の毎回のコミュニケーションシートは相変わらず続けています。教員の中には,すべてに回答を書く人もおられるようですが,僕は,数名をピックアップして全員の前で読み上げてコメントをすることにしています。一対一のコミュニケーションよりも,ある学生の感想や質問を全員が共有することに重きを置いていて,同じ話を聞いても,反応や受け止め方が異なることに注目してほしいからです。
 本日の建築環境工学IIの感想の中に「...建物の断面を工夫して日照調節をする例がとても興味深かった。今まで,平面をずらしたり,凸凹にして工夫していたが,断面について考えたことはなかった。今の課題で,温水プールを作ろうと思っていて,採光に困っていたので,参考になった。」というものがありました。僕が興味をもったのは,『今まで.....断面について考えたことがなかった』という部分です。設計演習の授業を担当していた時には「環境のことを考える場合は,断面から考える方が合理的ですよ。」と指導しましたが,こういう人が少なくないことに気づいたような次第です。言い方を換えると,本音のところを知ることによって,こちらが補わないといけないことを教えられるということです。そこまで,こちらが合わせるのか,という疑問は当然ですが.......。