ゼミのトピックス

松原です。
 昨年度は,ゼミの中でトピックスの時間をとっていたのですが,今期はその余裕がない状態です。本日は,僕の独断で新聞の切り抜きを配布して,こんな情報に反応するように,との期待をこめてコメントをしました。一つは,「あれっ,目の錯覚?」(朝日新聞,科学の扉,2016年8月28日),もう一つは「AIと生きる」(朝日新聞,耕論,2016年11月9日)です。前者は,環境心理行動学の講義の中でもふれている錯視に関するものです。錯視が起きる原因について,脳が網膜に映る図形から立体を再現するとき「図形とはすべからく単純でまとまり感のあるもの」と仮定する性質があるのではないか,との杉原厚吉特任教授(明治大学)の見解が紹介されています。これは,ゲシュタルト心理学でいう「よい形の要因」に類似した説ですが,脳の能動的な働きを強調しています。建築の美しさ,快適さを考える上で,錯視のメカニズムを考えることは重要だと考えていますので,研究室のみなさんにも興味を持って欲しいわけです。後者のAIの記事では,東ロボ君(東大受験を目指しているロボット)の開発に携わっている新井紀子教授(国立情報学研究所)は『意味を深く理解でき推論できる教育こそAI時代の学校や家庭必要です』と述べています。AIやロボットに職を奪われかねない世代である院生・学生諸君にどんな学びをしていくことがよいのか,を考えてもらうために,こんな記事を紹介しました。今後は,メンバーからこんな情報提供が得られるのではないか,と期待をしています。


 京大吉田寮の新棟。先週,京大NFの彩京前線のステージの応援に行った帰りに撮影しました。僕が学生の時には11月祭と呼んでいましたが,現在はNF(November Festival)と呼ぶのが普通のようです。