リサーチ・クエスチョン

松原です。
 研究室のゼミで,以前,この言葉を使ったことがあります。また,先日の2回生の講義でも,感想の紹介の中で使いました。教員としては,卒論,修論がさらに発展して,研究者を目指すような成長を一つの目標にする傾向がありますが,それはそれで,一つの特殊な進路です。僕の研究室は,進路については業種・職種ともそれほど強い「勧め」はしていません。設計事務所ハウスメーカー,建材・住設,公務員,教員等々と多岐に渡っています。一人一人の学生が,自分にとってベストと思う判断をしてくれているのだと思います。最近考えているのは,どんな進路に進んでも,ふと気がつくと考えているような問題意識を「リサーチクエスチョン」として,一生持ち続けてくれるような教育ができるといいな,ということです。例えば,「「快適な空間」とはどういうものなのか?」とか,「環境にやさしいとはどういうことなのか?」といったことです。もっと深い問いかけができるようになるとよいのですが,あくまでも例示として,です。「正解のない問いかけ」というと極端なようですが,議論の枠組みに依存する問いかけなので,その一種だろうと思います。しかし,それでも社会全体としては,少しづつわかることが増えつつあるのだと思っています。


 新聞報道によると,歴彩館が24日に一部オープンしたとのことです。南側の現場のプレハブとの境界のフェンスにはこんな横断幕があります。