iPS細胞とラグビー

松原です。
 先日,週刊現代(10/23)の「山中伸弥×平尾誠二 本当の勇気とは?」という記事を読みました。国から20億の予算を受けている山中先生の研究グループは,僕たちとは比べものにはならないのですが,それでも,アメリカの研究体制と比較すると,勝負にならないそうです。山中先生曰く『僕らが本当に手作業で遺伝子の機能を一個一個調べていったのに対し,彼らはものすごいお金をかけて何万もの遺伝子の機能をいっぺんに調べるという,僕らがやりたくてもできないことをやっていて,明らかに向こうが有利だった。ただ,彼らは,いわばブルドーザーなんです。一気にガーッと作業できるんですが,どうしても....漏れる部分が出てくる。....僕らは手作業ですから漏れない。そして,彼らが漏らした部分にiPS細胞を作る肝があったわけです。』これに対して,平尾監督が,『ラグビーでも同じようなことがあります。国内で勝つためには,とにかく体の大きな選手を集めてきて,力業で勝とうとする。実際,その方が勝てるんです。でも,そのやり方で外国のチームに勝てるかというと,まず勝ち目がない。...戦略性とか機動性といった日本人の特性を生かした独自の戦い方が必要なんです。』と述べています。

 僕たちは,争いや戦いをしているわけではありませんが,よい研究を進めるためには,少なくとも資金力やマンパワー,体力以外に,まだまだ知恵をしぼることがあるのではないか,と感じた次第です。
 まったく分野が違うとは言え,なんだか元気をもらったような気がしました。