新たなゼミの試み

松原です。
 今週のゼミでは,水曜日の研究ゼミ,金曜日の学習ゼミ,いずれも,少し新しい試みがなされました。
 研究ゼミのメインは,吉岡さんの「人間とは何か」という報告とディスカッションで,当初予定の60分を越えて,議論が続きました。11/17の教員担当のゼミの時に,健康,優生学等の話題を論じたのですが,そのときに吉岡さんが石黒浩先生(大阪大学)の作成されているアンドロイドを紹介してくれました。この日は,その話題を中心として,「生物とは何か」「人間とは何か」について,吉岡さんの考え・論点を熱く報告してくれました。また,ディスカッションも活発でした。僕が院生の時代には,ロボットは創造性をもたないという点で,人間を超えられない,と考えていました。なので,吉岡さんの「人間とは?」という問いかけに対して「自分の意志を持った生物,目的意識的に行動するもの,創造性のあるもの」と書きました。しかし,ロボット技術の発展は,この考えを変える必要のあるところまで来ているのだろうか,とふと思いました。また,池谷祐二先生の本で,「生物とは何か」という部分も,非常に興味深いものでした。僕としては,その内容に全面的に納得してはいないのですが,少なくとも,このような議論をすることは「物事を深く考えて,考え抜く」訓練になっていると思います。
 このテーマを今後も研究室として追求していくというわけではないのですが,研究室のめざすことに多少なりとも関連のあるトピックスを紹介して,熱く議論することは,研究室メンバーのレベルアップにも非常に有効なことだ,と感じました。

 石黒研究室  http://www.is.sys.es.osaka-u.ac.jp/index.ja.html
(スタッフと院生・学生の数だけでもすごいですね。)

 ところで,先日の中学校の授業では,先生が「研究はロマンだ。そのロマンを追って日々研究に打ち込んでいる大学の研究者が,忙しい中,中学に来て,その一部を披露して下さるのだから...」という主旨の紹介をされたとき,むしろ,こちらが,叱咤激励された気がしました。「研究はロマンだ」という点については,僕もその通りだと思っていますが,寸暇を惜しんでロマンを追い続けているか,という点では,まだ甘いかもしれない,と感じたのです。次のゼミのお茶会でも感想を出し合いたいですね。