森下先生を迎えてのゼミ

松原です。
 本日は定例の金曜日ではないのですが,森下先生(公共政策学部)のご都合とあわせるために,木曜日2コースにゼミを設定しました。認知心理学がご専門なので,僕たちの研究で使っている「注意」という用語などについて,ご報告をお願いしました。僕たちがこれまでの発表している以下の論文では(HPの教員ページの論文の項参照),注意配分が影響していると述べているのですが,本来の専門ではないので,心理学者に教えを請うのはよい勉強になります。石田先生に来ていただいた時にも書きましたように,僕が森下先生とお話しをすることは時々ありますが,研究室の院生・学生にその内容を伝えるという努力はあまりできていないのです。なので,卒論締め切りの8日前という緊迫した状況ではありますが,こういう機会を設定したわけです。この日の最大の収穫は,僕たちの研究で,注意という概念を使用して考察していることは,心理学者から見ても,妥当でしょう,と言っていただけたことです。僕も日本心理学会の会員になって5年ほどたちますが,日心(にっしん,と心理学会大会のことを呼んでいます)で発表しても,なかなか踏み込んだ議論ができなかったのです。本日は,そう言う意味でたいへんに有意義でした。

松原斎樹,伊藤香苗他:色彩と室温の複合環境に対する特異的及び非特異的評価,日本建築学会計画系論文集,535号,39-45, 2000
松原斎樹,島田理良他:温熱,視覚,聴覚要因の複合環境評価実験において環境要因を負荷することの影響 --注意概念による考察--,日本建築学会計画系論文集,611号,83-89, 2007.
須藤由佳子他:室温,色彩による複合環境の心理評価−注意を要因とした実験結果−,日本建築学会環境系論文集,630号,1037-1043, 2008