主体性・創造力(続編)

松原です。
 先日の「主体性・創造力」の続編です。
 「主体性」については,受け身,という表現が関連していると感じます。指示待ち,の傾向と同じことだろうと思います。
 「誰かに背中を押して欲しかった」という言葉を聞くようになったのは,比較的最近だと思います。ある決断をするにあたって,他の人の「こうするといいよ」「君はこうすべきだ」という言葉をもらって,決断できたということでしょう。こんなことを結びつけて考えるのが自分らしいと思いますが,主体性に乏しいから,他人が背中を押すまで,決断できない,ということなのではないか,と思います。こうするとよいのではないか,と考えたことに関して,自分自身が判断して行動すること,をもっと意識して欲しいと思う次第です。もちろん,よい方向へ背中を押してあげることも,教員として意識する必要はあると思っています。他人事のように言っていますが,僕自身も,院生や学生に同意を求めることは多くて,それも背中を押してほしい,という心情に通じるのかも知れませんね(笑)。
 創造力についても,補足です。創造的であるということは,ありふれていないということです。僕は「へそ曲がり」と言われることがありますが,常識的でないことを考えたり,行動したりすること,そのものに価値があると考えているからだと思います。ある企業の入社式の15年前と昨年の写真を並べた新聞記事がありましたが,昨年はユニフォームのような黒のスーツで髪型も画一的であるのに対し,15年前の服装の色・デザインも髪型も多様で,その違いは一目瞭然でした。できるだけ目立たないように,服装や言動を「ありふれたもの」にしようとする風潮でしょうか。もちろん,目立つことで不利になるようなこともあるのでしょうが,「創造力」という観点から,日常の言動を見直すことは有意義だと思います。
 ゼミの議論の場は,そういう訓練をするよい機会ですね。同じ論文を読んでも,同じ発表を聞いても,いろいろな観点から意見を述べることができます。日々の行動が,広い意味での就活の準備にもなっていると言えます。
 
 岩垣君は,引っ越しの準備を進めている中で,犬の携帯スタンドを僕にくれました。