京都環境文化学術フォーラム

松原です。
 昨日,本日と表記のイベントに参加してきました。昨年の第1回では,僕も学術者集会の指定討論者として講演を担当したのですが,今年は一参加者だったので,情報収集に専念できました。
 本日の基調講演は,GNH(Gross National Happiness,幸福度指数)を政策立案の根本に据えているブータンからお越しいただいた王女殿下です。多くの国ではGDP神話ですべてが語られることに対して,ブータンは経済的にはそれほど豊かではないのに国民の97%が幸福であると回答したことに注目が集まっています(主観的幸福の限界には注意すべきだ,という主旨は,昨日の佐野先生の講演の中にありましたが)。同時に,仏教を国教としている,王政であること,国民所得が高くはないこと等々,日本との違いは非常に大きいことには注意をする必要がありますが,人間にとって望ましい環境や暮らしのあり方を研究する僕たちの研究室にとっても,いろいろと示唆される有益な内容でした。また,パネラーの西水美恵子氏(元世界銀行副総裁)が,「ブータンの人々は,憲法9条のGNHを最高の目的とするという内容を知っているが,日本でも憲法第13条に『すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。』とあるが,一体どれだけの国民がこの内容を知っているのだろうか?」と発言しておられたのは,印象的でした。昨日のNHK TVで,無縁社会の深刻さを取り上げていたので,なおさら印象的です。
 幸福度指数の考え方は,僕たちの複合環境の総合評価の考え方に類似するところがあるので,そういう面でも関心を持っています。

http://www.earth-kyoto.jp/index.html

 会場は京都国際会館です。設計者の大谷幸夫氏は,僕が学生の時に特別講演を聞いたのですが,自分は避難口をつけることでデザイン性が低下しても,つけるべきと考える,とおっしゃったのが印象に残っています。

 まゆまろの着ぐるみです(先日はイラストだったので)。京都府も主催団体なので,登場しました。僕は,8月の打ち水以来の再会です。