研究の打合せ

松原です。
 3月にはいって,アクセス数が減少していたのですが,この数日増加傾向にあり,カウンター設置から4ヶ月を目前にして3000を越えました。昨日は,藏澄先生が訪問され,研究の打合せをしました。この間,体感温度指標ETF, ETFeを開発されて,精力的に研究を進めておられます。人体の熱の出入りを科学的に組み込んだ体感温度指標で,堀越哲美先生が開発されたHOTV(Humid Operative Temperature)を発展させたものです。基本的な考え方は,放射場,風速場,湿度場,というように体感温度に影響する気温以外の放射,風速,湿度などの影響を,気温に換算して足したり引いたりするというものです。特徴の一つは,人体の姿勢もパラメータとして考慮できる点です。日本人は,世界的に見ても,多様な姿勢で暮らしているようなので,この指標の恩恵を受ける度合いが大きいと言えます。僕も共著になっている論文は,研究室HPの「教員」,「業績」の論文リストに上げられています。意欲的な人は,論文を読んで下さいね。一例は以下です。
「温熱環境の総合的な人体影響の表現方法と検証」
http://www.jstage.jst.go.jp/article/seikisho/46/4/121/_pdf/-char/ja/

 さて,本日は,武庫川女子大学甲子園キャンパスに行きました。「環境技術と建築・街並み・地域のあり方特別調査委員会」という建築学会の委員会で以前お世話になっていた岡崎先生,大谷先生を訪問して,打合せをするためです。岡崎先生は,「我が国の伝統的住環境技術と文化の形成小委員会」の主査を務めておられ,大谷先生と僕が幹事でした。ほとんど,大谷先生が幹事の仕事をされていたので,申し訳なく思っていますが。この学舎は,以前の甲子園ホテルであり,フランク・ロイド・ライトの作品です。有機的建築という表現で有名なライトですが,確かに,無機質な建築とは違いますね。通風や採光など,建築環境工学的なことを意識した設計者としても評価が高いのです。レイナー・バンハム著(堀江悟郎訳)「環境としての建築」(鹿島出版会)では,ル・コルビジェを,救世軍会館などで環境的な失敗をした建築家として描いているのに対して,環境に関して非常にうまく対処した建築家としてライトを紹介しています(なお,拙著「レイナー・バナムと堀江悟郎」(国際デザイン史)という短い文章もありますので,これも,研究室メンバーには読んでほしいものです)。
 今朝は,時間がなかったので,ゆっくりと写真を撮影する余裕がなかったのが残念ですが。
http://www.mukogawa-u.ac.jp/~kkcampus/