風の道を京都にも

松原です。
 本日の,京都新聞夕刊に「鴨川の涼導く風の道 京都市ヒートアイランド抑制策」(2011/04/26)という記事があり,思わず反応してしまいました。川の上部にある空気は温度が低いので,これを利用するとよいということは,比較的早くから知られていましたが,鴨川の冷気を都市内に持ち込もうという発想です。建築環境工学の教員として,長年,学生たちに,都市計画・都市設計は,政治・経済的あるいは歴史的・文化的な側面だけではなく,ヒートアイランド対策など環境の側面からも考えるべきだ,と話をしてきましたが,いよいよ京都でも,という感を強く持ちました。よい意味で,劇的な変化だと思います。もちろん,歴史・文化を尊重した環境配慮になることは大前提ですが。
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20110426000072
 我が国での「風の道」の研究では,名古屋工業大学の堀越哲美先生の研究室が,早くから伊勢湾の涼風を都心部に持ち込む効果について取り組んでおられました。1995年には,橋本剛先生の発表があります(先日,紹介をした筑波大学の豊川さんの指導をしておられます)。森山正和先生(摂南大学)も,神戸大学におられたころから,風の道の研究をしておられました。下記の森山先生の記事は,僕が編集委員をさせていただいた時にお願いした建築雑誌の記事です。
名古屋における運河を利用した風の道に関する研究
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004138951
都市の風の道 : シュトゥットガルトから日本へ
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003796120

 話は急に変わりますが,マッサンが開花して,香りが強くなりました。ランドスケープの専門の下村先生の解説通りになっています。マッサンが研究室にやってきてから7年半になりますが,開花は初めてのように思います。