学校空調の効果報告会

松原です。
 昨日7月2日は,長岡京市教育委員会との共同研究の報告会でした。伊坂さんと卒論生の下澤さん(2008年度),鈴木さん(2009年度),宮川さん(2010年度)および飛田先生(有明高専)と有明高専の学生さんたちの成果が凝縮された報告会でした。前半は,僕と宮川さん,伊坂さんの報告,後半は,宗田先生(本学 都市計画)にコーディネータをお願いして,芦田教育長,安部校長(第8小学校),山下PTA会長,梨和参事(ダイダン株),伊坂さんと僕によるパネルディスカッションでした。小田市長も公務多忙の中,駆けつけていただき,挨拶をいただくことができました。
 PFIという仕組みによって13の小中学校に空調を一斉導入した効果について3年間追跡した成果を発信することで,関係者一同,ホッとした次第です。建築環境工学の立場からは,建物の基本性能を向上させないで,エアコンを導入することには,無条件に賛成はしかねます(先日,ご紹介した須永先生の論文は,論点が整理されています)。しかし,昨今のヒートアイランド現象等による高温化しているのに,小中学校に対してのみ「空調は贅沢だ」,ということは,一方では過剰な冷房空間がたくさんある中で,バランス論としておかしい,と考えてきました。節電の要請という情勢下でも,エネルギーの配分が適正か,ということも問われると思います。学会発表は今年度の建築学会等で行いつつありますが,この報告会の報告書の作成もする予定です。
 本日の京都新聞洛西版にも記事が掲載されています。教室内の温度の数値が強調されすぎているきらいはありますが。 
http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20110703000021
 研究論文としてのとりまとめは,まだまだこれからの部分がありますが,ひとまずの区切りがつきました。長岡京市教育委員会,政策推進課の皆様,小・中学校の先生方・児童生徒のみなさん,保護者のみなさん,有明高専飛田研究室のみなさん,府立大学の関係者のみなさん,松原研究室のみなさん,本当にお世話になり,ありがとうございました。
 なお,本日は,町家体験塾(第1回)での話題もあるのですが,急ぐ仕事がありますので,明日にします。景観・まちづくりセンターの大屋さんには,ブログでもよろしく,と言われているのですが,もうしばらく待って下さい(見ていただいていたのですね)。


 パネルディスカッションの一場面です。参加者も多かったので,後日写真の追加をしたいと思います。