感覚・知覚心理シンポジウム(第10回)

松原です。
 後期は前期よりも少しだけ授業が少ないので,ものを考える時間が増えたような気がします。「思考停止」のまま,行動せねば,ということの多い世の中だと思うので,よいことだと思います。
 12日(土)の午後には,表記のシンポジウム「人間行動と感覚・知覚心理研究」が京都駅前のキャンパスプラザ京都で開催されました。講演者は,竹原先生(京都ノートルダム女子大学),梅宮先生(大阪市立大学),原田先生(名古屋市立大学)です。僕は後半の総合討論の司会を担当したので,その中で,「行動」が環境工学でどのように扱われてきたかの過去の歴史的経緯について,ほんの少しだけ,ふれました。環境工学分野で,意識・行動というキーワードの研究が増えてきたのは,それほど古いことではありません。僕たちが91年に建築学会で,以下の発表をした頃には,環境工学は,熱にせよ音にせよ物理量の研究をするのが当たり前の時代でしたので,少し気恥ずかしいような思いでいたような記憶があります。しかし,今日では,「行動」「住まい方」「意識」などが環境工学分野でも当然のよう使われるようになり,生活者の目線での研究が増えてきたと思います(僕たちは「生活行為」と言う言葉にこだわってきたのですが,このあたりは,別途論文等で展開したいと思っています)。わが環境デザイン学科は,教育・研究の特徴の1番目が「生活者の視点を重視していること」なので,その先見性は評価してもよいと思っています(自画自賛ですね)。
澤島智明・松原斎樹・永谷朗美:京都市の戸建住宅居住者の夏の環境調節法について,日本建築学会近畿支部研究報告集,31号,213-216, 1991.


 通勤途上の北大路商店街のお寿司屋さんの店頭でみかけた見事な菊です。