研究の背景と目的

松原です。
 昨日で授業期間が終わり,本日23日から冬休みに入りました。年明けの開講は1月10日です。15週間の授業期間を確保して,別途試験をしますので,休暇期間は年々短くなっています。本日は祝日ですが,伊坂さん・宮川さんとのゼミ,戸田さんとの打合せがあり,平日と同じような仕事の一日でした。卒論・修論をやっている人はもちろんですが,M1,DCの人達も,2月に中間発表会を控えていますので,それぞれ緊張感をもって日々を過ごしています。
 昨日,今年最後の論文講読法IIで,飛田ら(2008)の論文を読みました。「はじめに」に,温暖化対策として京都議定書が発効して,温暖化ガスの排出を2008〜2012年の間に1990年比で-6%にする必要があるという下りがありました。この部分は,先日のCOP17でも焦点になった問題で,これから研究の背景を描く場合には,情勢の変化を把握して最新の情報を記載する必要があります。ポスト「京都議定書」を米国,中国,インドなどの大口?の排出国を含めて新しい枠組みを作る必要があると言う点では多くの国の認識は一致しているのですが,具体案については合意が困難で,とりあえず「京都議定書」を延長しようということになったのですが,日本がもっとも強硬に反対していました。詳しいことは,各自で調べてもらうか,年明けのゼミで勉強会をすることにしたいのですが,研究テーマが社会情勢と密接に関連している場合,日々のニュースを追いかけていないと,研究の背景を適切に書くことができないのです。むしろ,社会・経済の動きは,多かれ少なかれ,僕たちの研究課題と関連していると言えます。京都議定書は,1997年12月のCOP3(京都)で採択されたのですが,発効したのは2005年2月16日でしたし、この発効の前後で,背景として書く内容は少し異なっていたわけです。COP3は京都国際会館で開催され,僕はNGOの一つとしての日本建築学会のメンバーとして会場に出入りしていましたし,京都で国際的な温暖化対策の合意がなされた「京都議定書」には「愛着」を感じているので,この間の動きについては少し残念に感じています。どんな課題についても,さまざまな考え・立場の国の意見をまとめるという作業は大変だと思いますが,将来にわたって責任の持てる行動が必要だと思います。

毎日新聞の記事
http://mainichi.jp/select/world/news/20111211k0000e030117000c.html
飛田ら(2008)の論文
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006656936

 

 写真の解説
 冬の電力需要は,午後に鋭いピークがある夏と異なって,緩やかな変化を示すので,節電の対策もより神経を使うように思います。『「でんき予報」もそれほど頻繁にみるわけではないし...』と思っていたところ,京都駅構内の地下通路のディスプレーに表示されていました。