レポートの採点

松原です。
 10日(金),11日(土)は,夏期の大学院入試でした。今年度は専攻主任という役目があるので,合否判定会議の司会を行うなど,神経をつかう2日間でした。トラブルがなく終了してほっとしています。学生時代には「大過なく終了した」などというセリフはを下らないと感じていたのですが,最近は,トラブルがないことのありがたみがわかるようになりました。
 さて,世間ではそろそろ盆休みなのですが,前期の成績をつける仕事はこれからです。「建築環境工学I」の再試験は木曜日にも行いました。他の学部の講義では「環境心理行動学」のレポートの採点の途中です。7/17,18にも書きましたように,今年はより踏み込んだ指導を行いましたので,調査項目の言葉の選定,データ集計,参考文献リストなどにおいて,全体として昨年度までよりもハイレベルになりました。生活環境調査法(山川先生)と同時に履修していた人達は,調査票の作成方法,集計方法などについても,より進んだことを学べたと思います。
 このレポートの一部として,半期の授業全体への感想・意見を求めました。リップサービスを割り引く必要はあるのですが,次年度の授業改善に向けてのありがたいコメントがもらえたので,少し紹介しておきます。「2回生で建築環境工学を受けて工学系の先生だという印象が強かった。今回...先生のもう一つの専門について学ぶことができた。....実際,この授業により,自分の考え方・アイデア・知識の引き出しが増えたと思う。また,最後に発表およびレポートがあることも,授業の達成度が大きく有意義だと思う。...受け身の授業ではなく,自分も何か考え,みんなに伝えることができ,受講価値が大きくある授業だった。」「自分が気になることを実際に自分自身で調査するということで,とても面白い授業だったと思います。...調査結果をまとめて表やグラフにした後,それらの資料が何を表しているのか読み取る能力が不足していることに気づかされました。インターネットで論文を簡単に見ることができるので,研究の目的やグラフが表していること,論文の結果が正しいかどうかを見極める訓練を少しづつしていかなければならないと感じました。」「....自分の調査では,想定していたような結果がはっきりとは現れず,仮説の立て方や考察など,改善点がたくさん見つかったので,論文など読んでおく必要があったと感じました。しかし,アンケート用紙を作るところから集計・考察をして発表するところまでの過程が,とても良い経験になりました。」「...授業内容について,たまに意味や概念を十分に呑み込めないまま,その言葉を多用して進められてしまったこともあった。にもかかわらず,他の授業で忙しいという言い訳をして,理解するための時間を作らなかったのは反省すべき点で,夏休み中に授業プリントとノートを読み返したり参考文献を読むなどして,きちんと飲み込んでおきたいと思う。...」「私たちが普段何気なく行っている行動を分析することにより,よりよい環境を作り出すということが学べました。...」集計の仕方,図表の作成方法については,次年度の課題です。なにより,自分でもっと勉強をしよう,という点に期待しています。3回生の仮配属もそろそろ確定しそうですが,この気もちに期待してます。

「写真の解説」
教養教育科目「環境共生教育演習I」の実習として美山木匠塾を担当しています。実際には,木匠塾事務局長である戸田さんが中心に進めておられる活動と連携しています。木工室を使うための事前講習(7/31)の一コマで,もりなかまのメンバーの方の協力を得て行われています。