2012FD集会

松原です。
 28日(金)は,午前に科学研究費の講習会,午後に全学のFD集会がありました。FDとは,Faculty Developmentの略で,個々の教員の教育内容や方法の改善及び向上のための活動です(僕は,大学の教育とは不親切なもので理解できないのは学生の責任だ,という学生時代を過ごしたので,どこまで「口当たりのよい舌触りのよい(?)教育」をするべきか(するべきではないのでは?),という気持ちもあるのですが,大学淘汰が危惧されている時代なので,そんなことをいっていられませんね)。基調講演は「進化する大学教育・・国内外の視点から」(飯吉 透・京都大学高等教育研究開発センター教授)と言うタイトルでした。飯吉先生は20年間米国に滞在後,今年の1月から現在の職場に赴任されたとのことで,MITやハーバード大学の教育の実例を多数紹介していただきました。この口演で有意義だったのは,ITを活用した授業などさまざまなユニークな取り組みについて,肯定的な側面と否定的な側面をバランスよくコメントされたことだと感じました。NHKのハーバード熱血教室のような動きについても,特定の教員や授業を神格化することはよくない,と言われたことが印象的です。ある教員のある授業がよいと思われても,別の問題点があったり,あるいは時間の経過の中で,問題点が次第に大きくなったりする場合がある,という意味だと思います。
 今回のFD集会の最大の特徴は学生にも参加を呼びかけていたことです(僕自身は,よく知らなかったのですが)。少数ではありましたが,学生から質問が出されて,質疑が行われたことは歴史的に大きな意味を持っていると思います。府大の特徴として,全学150数名の教員が一つの教室に集合して,このような会合を持つことができることです。今年は,学生も同席してくれたおかげで,その歴史に一つの新しい展開があったのだと思っています(ややオーバーな表現なのは承知していますが)。分科会では「自学自習を促す学内環境整備」に参加しましたが,こちらは学生の参加がなくて残念でした。
 29日(土)の午後には,感覚・知覚心理小委員会が大阪で開催されました。

「写真の解説」
 FD集会の一コマです。動画もたくさん使用してのプレゼンは,さすがに興味を引きます。自分の講演が,たしかに静的であることを感じました。