音環境と住空間

松原です。
 建築環境工学IIは,昨日から音の単元に入りました。コミュニケーションシートのやりとりを毎回行うことは,懲りずに続けています。続ける理由は,やはりなにがしかの反応を知りたいからです。中には,授業中ほとんど寝ていて起き抜けに適当に書いている人もいないわけではないですが(大学によっては,教員の責務として起こさないといけないところもあるそうですが,僕はそこまではしません),大体の人はどういう受け止め方をしてくれたのか,がわかります。いろいろな建築作品をよく調べている人は「.....音のひびき,はね返りを考えれば,それだけで無数の面白い空間が生まれる。例えば豊島美術館も,音響施設ではないが音の広がりで特殊な空間を作りだしている。形態と機能がみごとにかねそなわっていてこそ,すばらしい設計,デザインなのだなとあらためて感じた(一部修正)」と書いてくれます。また,吹奏楽をやっていた学生は「音の聞こえ方は,鑑賞する側だけでなく,演奏する側の人間にも様々な影響があると経験上感じています。直管型の楽器とそうでない楽器とのタイムラグも生まれるので,合わせるのがホールによってたいへんなところもありました」ということを教えてくれます。サウンドスケープの本を回覧したことに対しては「(国立民族学博物館の)館内に,ビデオテークという施設があり,.....それぞれの国によって聞こえてくる音が違い,ぱっと地方が連想できるので,音が作る風景はその土地に大きな影響を与えているのだな,と今日あらためて感じた」という感想が聞かれました。
 音のみの研究をやっているわけではありませんが,それぞれの対象に興味をもってもらうことは必要なので,それなりの工夫はしています。そのリアクションとして,学生から教えられることもあるわけです。人文知にもすぐれた人材が育つとよいと思っています。

「写真の解説」
 京都学生祭典の会場に設置されているゴミ箱で,8種類の分別する必要があります。京都市認定のエコイベントとして最高レベル5の認定を受けているのです。