院生・学生に期待すること

松原です。
 前回は,研究室のブログとしては,ややくだけすぎていたようなので,研究の内容に戻します。
 何度か世代論を書いたのですが,今もくりかえし愚痴をいうのが,以下のようなことです。「以前は『君の研究計画は,ここが少しひっかかるなあ。こういう観点から見ると問題があるよね。』などとコメントすること自体が,研究指導になっていたのですが,近年は,そういうと,『じゃあ,どうしたらいいのですか?』と言われるので,『こうしましょう』という提案を決めておかないと,コメントもできないのですよ。」と。
 これに対しては,以前にも紹介したことがあるのですが,「いきいき研究室 増産プロジェクト」の「大学の研究室の歩き方」というページのスキットに「教員がイヤな言葉その5」に一つの模範例が書かれています。「テレビ英会話教室」などのスキットをまねた例なのですが,「ほんとうに欲しいデータを得るにはどうしたらよいでしょうか?」という質問をしてしまい教員が「??」となるところを,改善する例です。改善例は,ほんとうに欲しいデータを得るために,3つの案(A案,B案,C案)を考え,自分はA案がよいと思うが,先生はどう思われますか,と質問するのです。そうなると,教員側も,気持ちよく考えを伝えることができるわけですね。最初のスキットに関して,以下の解説がなされています(メンバーの宮野先生,岡本さんのやりとりになっています)。『「考える」という作業はもっとも大事な知的作業です....自分で考え,提案する.教員には「意見」のみを求めるのです.』『さらに言うなら教員は大変忙しく,.....そんな教員に突然ディープな研究内容の把握を求め,かつ,重要な解決案を求めても決して有効な案がでてくるとは限りませんしね』と。なんだか,僕が感じていることを代弁してくれている,ありがたいページです。個別に議論しているときにと,ゼミで議論しているときで結論が異なることの多い教員なので,こういう姿勢で自分で情報を収集してじっくりと考える癖をつけてくれることを期待しています。

http://www.ikiiki-lab.org/category/arukikata/


「写真の解説」
 近所の,町家さろん「淳平」の2階で手作りの作品の展示をしていましたが,その中の一つの竹細工です。写真だけを手がかりにして,真竹を割って材料を手作りされた作品です。