第43回熱シンポジウム

松原です。
 北村さんが予告をしていた建築学会の熱シンポジウムから帰りました。北村さんの感想も追って掲載されると思いますが,僕からも。今回は,「居住環境における寒さと健康・快適」というテーマでした。環境工学委員会には11の運営委員会がありますが,その一つが熱環境運営委員会です。研究者人口としては,環境工学分野の1/4〜1/3程度は熱関係だと思いますが,その中に5つの小委員会があり,毎年各小委員会が持ち回りで熱シンポジウムの担当をします。今回は温熱感小委員会の担当です。5年前に,僕が小委員会の主査として担当した第38回は「『暑熱環境と人間・社会』−温熱感研究の社会的貢献−」というタイトルだったのですが,今回は,寒さが対象です。いろいろと興味深い発表がありましたが,中でも星旦二先生(首都大学東京)の講演1「健康長寿を実現する住まいとコミュニティの創造」が一番の情報でした。公衆衛生学の立場から,社会調査的な手法を駆使して,長寿に寄与する要因などを明らかにしておられます。個々の病気,病人を診察する臨床的な視点とは異なる,社会的な視点から健康に関する研究として,たいへんに勉強になりました。先生のデータでは,体型では太めの方が,また飲酒の習慣では毎日飲酒する方が長寿だそうです。医学以外の分野がもっと健康に関与することを主張しておられ「住居」も重要だということです。具体的にどういう住居がよいのか,については,いろいろな説が出てきそうですが....。
 開会の挨拶は,須永先生(首都大学東京)でしたが,1977年の熱シンポジウムで僕と出会ったときのエピソードをお話になったそうです(開会には間に合わなかったので)。以下に書いている内容ですが,少し恥ずかしいですね。
http://d.hatena.ne.jp/matsu-blog/20110827/1314459393
 

「写真の解説」
 今回の会場は「産業技術総合研究所臨海副都心センター」でした。「新橋」からゆりかもめテレコムセンター前」下車で,初めてゆりかもめに乗りました。神戸のポートライナーとほぼ同じものだと思います。写真はゆりかもめの新橋駅に停車している車両です。