2013生気象学会大会

松原です。
 本日から,第52回日本生気象学会大会が米子市文化ホールにて開催されています。今年の大会長は渡邊達生先生(鳥取大学医学部)です。昨年までは,必ずシンポジウム等の企画があったのですが,今年は,一般発表のみに戻した(紫藤会長の弁)そうですが,71編の発表演題が集まりました。若手・学生発表コンテストは22題がエントリーされ,北村さんも「住宅内温熱環境の実態と居住者の意識に関する研究(その5) 冬期における各居室の予想温度と実測温度の比較」という演題で参加しました。柴田先生の演題は,「住宅内温熱環境の実態と居住者の意識に関する研究(その6) 夏期の内外温度差,室間温度差とエアコン使用」で,いずれも本日発表が終わりました。生活者視点の,研究として位置づけています。僕が興味を持った他の発表は以下のようなものです。
 「東海道御油の松並木とその周辺に形成される気候景観調査 −夏季・冬季の比較−」(堀越研究室の長島さん),「夏季における伝統的な生垣が集落気候形成に及ぼす影響 茨城県石岡市大増集落における事例」(2年前に紹介した筑波大学の豊川さんの発表で,コンテストの優秀賞)「現代住宅における通風性能評価に関する研究 雑誌「住宅特集」に掲載された住宅を事例として」(堀越研究室のHungさん),「夏季における木造応急仮設住宅に形成される室内温熱環境 福島県いわき市における調査結果」(筑波大学の橋本先生)などです。長島さんの松並木や豊川さんの生垣の研究は,それらの気候緩和作用などを明らかにして,都市計画,住宅計画などに活用しようという考え方です。また,Hungさんの研究は,最近の住宅は開口部が小さく,通風しにくい構造になっていることを,作品集のデータから明らかにしていますし,橋本先生は,木造の良質の仮設住宅の環境の良さを報告されました。これらは,建築環境工学の中でも設備的ではなく,計画原論的な研究であり,企画・計画・設計へのフィードバックに,より重点がある研究です。