板書=アニメーション?

松原です。
 先日,授業中の板書のことを書きましたが,ともかく,この2週間ほど板書を増やすことを意識しています。僕のイメージでは,学生諸君は,カラフルなPowerPointを用意するのがよい授業で,プリントや板書だけの授業は遅れている,と感じているはずだ,という思い込みがありました。また,板書をノートに書くことは時間の無駄,という思い込みもありました。「思い込み」と書いたのは,間違っていたのではないか,と考え始めている証拠なのですが。「板書をノートに書くことは時間の無駄」というのは,相当なボリュームの知識を吸収していくことを考えると,ゆっくりと板書をし,学生がノートをとる,そのペースが遅すぎる,そんなことは学生が自分でやればよい,という考えがあったからです。同時に,僕が小学校で習った先生方は,職人的に上手な板書をしておられたので,汚い文字を黒板に残すことが嫌だという気持ちもありました。しかし,テキストやプリントに書いてあることであっても,教員にとっては聞き飽きた言葉でも,学生からすると,初めてのもの,あるいは忘れかけているものも多いわけです(そのことの是非は,別途論じたいのですが)。なので,「ねつかんりゅうりつ」と言葉を発して「熱貫流率」と板書をする,学生がノートをとる,ということは,それなりに,意味があると感じ始めています。しかも,板書というのは,リアルタイムで書くわけですから,一種のPowerpointで使われる「アニメーション」とおなじようなものです。なので,今年は,大幅なバージョンアップとはいえなくとも,板書を増やす,ということを意識して頑張ってみたいと思っています。「建築環境工学i」を再履修しているある学生は,板書も増えてわかりやすくなった,と感想を書いてくれました。

三条通りにある家邉徳時計店です。一回生の合宿研修の東山コースでは,三条通りの近代建築を中心に見学が組まれています。今年は5月16日の予定です。