南靖土楼の見学・調査

松原です。
 本日夕刻,日本に戻ってきました。中国に滞在中たいへんにお世話になった国立華僑大学建築学院のみなさん,とりわけ烏雲巴根先生に,また福井先生(府大のサバティカル制度で厦門滞在中)に深く感謝します。
 昨日は,南靖の土楼を見学・調査しました。永定の土楼が有名なのですが,南靖の方が観光化の程度がまだ少ないので,よりよいだろうとのウユン先生の意見で,こちらに向かいました。厦門北駅から南靖駅まで新幹線で約30分,そこから乗り合いタクシーで1時間20分程度の道のりでした。何度か写真では見たことがある土楼ですが,実際に足を踏み入れて見ると,その大きさといい,アイデアといい,驚きの連続です。外敵から守るために,こういう住まいを考えて造ったと言われればなるほど,と思いますが,こういう設計をして,現実に建設した昔の人々の知恵と行動力には,恐れ入る気がします。現代人からすると,不衛生,不便などの問題点はたくさん感じますが,建設当時の状況からすると画期的な建築だったのだろうと思います。文化大革命の頃までは,新規に建設されていたとのことです。近年では,形をまねてRC(鉄筋コンクリート造)で建設したホテルなどもありますが,建築としては,まったく異質なものです。


「写真の解説」
 5つの土楼が集中している地点を上から見下ろした写真が撮影できるポイントがあり,展望台になっていました。その中の楕円形の土楼の中を撮影しました。このあたりの土楼の1Fは,観光客相手にお茶などのお土産の販売をしています。