音の知覚と公共空間デザイン

松原です。
 本日,建築学会感覚・知覚心理小委員会主催の表記シンポジウム「心理生理のフロンティアを語る(第3回)」が,大阪市立大学文化交流センターホールで開催されました。講演は,「音環境のユニバーサルデザインに向けて」(土田義郎 金沢工業大学),「心理評価に基づく建築空間の音声伝送空間の性能規準(佐藤逸人 神戸大学),「聞いてわかる音サインのデザイン」(武者圭 サウンドスケープデザイナー)の3題でした。武者さんは,視覚障害をもつ音サインのデザイナーなので,ご自身の経験にもとづく講演,発言の内容はたいへんに興味深いものでした。音サインの初期のものとして1989年のJR新宿駅の発車の合図がありますが,当時と現在の新宿駅13番ホームの音環境や,ご自身のデザインされたメルパルク熊本の音サインの例などを聞かせていただきました。先日の,府大の人権論IIでは,「個人差に配慮した環境設計」の講義をしたのですが,今後は,内容をバージョンアップできそうです。また,土田先生,佐藤先生の講演も,勉強になることが多かったと感じました。
 


「写真の解説」
 シンポジウムでの武者さんの講演の一コマです。







 シンポジウムの帰りの梅田の地下ですが,文楽の普及のための展示をしていました。朝日新聞によると,大阪市補助金は、年度内の劇場入場者数が10万5千人以上ならば満額の2900万円、それ未満なら1人につき約1930円ずつ減らされるので、9万人以下の場合はゼロになるという方式なのです(現市長から)。2014年度は,10万5千人を超えて,満額だったそうですが,今年度も集客を必死にしているのだと思います。僕自身も,これまでに一度しか観劇したことがないことに気づきました。