論文の受理通知

松原です。
 3日くらいで更新というのが当面の目標ですが,少し空いてしまいました。
 年始に修正原稿を提出していた論文ですが,先週末に日本生気象学会から受理通知を受け取りました。かなり時間がかかっていたので,うれしくて,研究室メンバーに,「論文が採用されました」,とメールで連絡をしました。研究者にとっては,論文が完成して投稿すること,投稿した論文が採用(受理)されること,が大きな喜びです。今回の論文は,小東君の修士論文を元にしたもので,その前半部分です。これから,最終原稿の作成提出にとりかからねばなりませんが,こういう作業は前向きの気持ちで取り組めます。世の中には,「敗戦処理」のようなやる気の出ない仕事もたくさんありますが,新しい知見を論文として世に紹介することは,非常に創造的な仕事ですね。これは,内発的な意欲によって行うことで,達成感が報酬として大きな意味を持ちます。
 しかし,最近は,企業も大学も「業績評価」と称して,成果をすべてポイント化して,昇進や昇給に連動させる仕組みを導入することが増えつつあります。達成感を喜びとしてやるから創造的な研究ができると思うのですが,研究をすることが,他人よりも給与をあげてもらうためであるかのような仕組みに組み込まれること,は少し悲しい気がします。50年間に30人のノーベル賞受賞を目標に掲げた国がありますが,受賞を目標にするというのは,どこか順序が逆のように思います。知的好奇心を満たすため,あるいは社会的に意義があると思う目標をたててがんばった結果,受賞に値する成果が上がった,ということではないのでしょうか?

「達成感」と言う言葉の連想で引っ張り出したのは,07年度の美山木匠塾のスナップです。目の前の課題が興味深いから,あるいは意義を感じるから,頑張る,ということだと思います。