研究者&教育者

松原です。 
 本日は,数年前に他の研究室を修了したOBが訪問してくれました。以前に貸していた本の返却が主目的ですが,合わせて,近況を聞かせてくれました。17日には,今年度の生活環境科学科目群の5名の博士論文の発表会があり,その時に久しぶりに見かけたのです。ブログのことを紹介したところ,かなり詳しくみていてくれたようで,いろいろと感想を聞かせてくれました。黒光先生(鹿児島大学)も,ときどき見ています,と言ってくれましたし,見てくれる人がいると,元気が出ます。人間というのは社会的動物だからでしょう。励ます意味でも,コメントを書いてもらえるとうれしいです。
 さて,大学教員は,自らを「研究者」と呼ぶことが多いのですが,「教育者」としての役割も大きいのです。研究者として,それなりの仕事はしてきたつもりですが,教育者として,と自負することもいろいろとあります。生命環境学部が発足して約3年になりますが,学部共通の必修科目に「生命環境学概論」(1回生配当)があり,昨年度の4月に担当しました。200名強の学生が受講,出席しており,僕の担当は2回(2009年の4月13日,20日)だったのですが,それぞれ,授業内容に対するコメントを書いてもらい,採点しました。1回生なので,大学に入学して初めての専門科目の授業だったかも知れません。ほぼすべての授業で,毎回感想,質問を書いてもらっていますが,さすがに,200名を越える学生の感想・意見を読むことは初めてで,2週間続くとかなり苦しかったです。通常の授業は数行程度のものですが,このときは,ほぼ1枚分書いてくれた人が多かったので。同じ講義を受講しても,反応には大きな違いがあります。1回目(4/13)の感想の中で,特に積極的・意欲的だと思われるものを8名分だけコピーをして,次の回(4/20)に配布してみました。期待していたことは「同じ講義を聴いても,こんなに深く考えている同回生がいるんだ。自分ももっと前向きに受講できるのではないだろうか。」という反応です。この狙いは,ほぼ達成されたと思います。それなりに手応えを感じた2週間でしたが,あまりのしんどさに,今年は,予定通り次の学科主任にバトンタッチしました。この科目については,一旦撤退しましたが,他の科目では,毎回書いてもらっています。昨年の経験は,それなりに生かされていると思います。学生の教育に手応えを感じると,研究に取り組む意欲も高まるような気がします。このあたりは,個人差があると思いますが。もちろん,大学の教育は,先端的な研究成果に裏付けられたものである,というのが主旨だと思っています。密接な相互作用と言えるでしょうね。