コミュニケーションシートの振り返り

松原です。
 期末で,卒論,修論,博士論文等に加えて,定期試験・レポートの採点等が集中する時期です。授業では,毎回,コミュニケーションシートと勝手に呼んでいるA4のコピー紙に数行の感想・質問を書いてもらっていますが,半期を振り返って見ることは少ないのです。今年は,試験の採点と会わせて,少し振り返っています。建築環境工学の授業では,建物に関わる物理的な数値を計算する内容が多いのですが,「本来の目的は,設計計画を工夫してよい環境を創り出すための基礎勉強だよ,デザイン実習にどれだけ活かせたかが重要だよね。合わせて,生活者の目線で,暑さ・寒さや結露,光・音環境を改善することを考えてほしい。」と最後の授業で補足をしました。そういうメッセージを発しても,最終回のコメントは,「試験ができるか心配ですが,頑張ります」というシンプルなものが大半です。試験結果がどうなるかで頭が一杯なのでしょう。でも,中には「最後の講義になって,あらためて,実習などに生かせたかと考えると,うーん..という感じなのですが,そういう気持ちで講義を受けようと思えたのはよかったなと思います。生かせなかったのは,知識が頭にしっかり入っていなかったことが原因だと思います。テスト頑張りたいです....。」と書いてくれた人もいます。また「この授業はふだんの生活に使える知識がたくさんあったのでよかったと思う。また,昨日ふとサッシの下を見ると,ふだん結露をしているせいか,カビで真っ黒になっていた。結露をするたびに,きちんとふくことが大切だと思った。また,冬は出かけるときに換気扇をつけていないと,玄関まで結露してしまうので気をつけたい。」(本人の表現を尊重)という人もいました。こういう反応はありがたいです。生活者視点の学科なので,理工系とは異なる特徴を強みとして欲しいですし,(機械設備派ではなく)建築計画原論派の環境工学の授業でありたいと考えているからです。


色彩が気になった,京都駅前の,ローム社の社屋です。あの暗い中で,手ぶれがあまりないので,カメラの性能がよくなったのだと思います。