学ぶ態度と姿勢

松原です。
 MERAの発表が終わってホッとするどころか,後回しにしていた課題が,たまっていてたいへんです。建築学会の震災提言,研究懇談会の資料,科研費の報告関係等々です。
 といいつつ,昨日(2011/05/22)の新聞記事を紹介します。京都新聞ジュニア面に「養老先生のさかさま人間学」というシリーズがあり,「生きるために必要なんだ」の巻です。学習指導要領が改訂されたが,これは教える側の教師の要領であって,学ぶ側の態度の議論が抜け落ちてしまっている,と言う主旨が書かれています。本気で学ぼうという態度が何よりも重要だ,ということです。世間で無事に生きていくことは大変なので,生きるために学ぶのだ,ということがわかれば,いくらでも学ぶ態度がよくなる,ということが書いてあります。
 大学教員が,ジュニア面を読んで反応しているのも情けない話ですが,大学生にも当てはまる部分があるからです。近年は,大学のFD活動と称して,授業をいかにわかりやすくするか,という活動が活発ですが,受講する学生の学ぶ姿勢・態度については,踏み込んだ議論になっていないと感じています。僕が学生の頃には,何かを知らない,わからない,ということは,学生が恥ずかしいと思うべきことで,何とか理解せねば,と考えたものです。僕の出身大学では,およそ教員の側にサービス精神などありませんでしたが,やる気のある学生はそれなりに勉強していました。しかるに,最近は,授業の内容がわからなければ,教える側が悪い,教え方が下手だ,内容が難しすぎる,と教員が批判される場合が少なからずあります。大学生にふさわしいレベルの勉強をする気持ちがないのなら,大学に来ない方がよい,といいたいです。僕は,それなりに頑張っているつもりですが,学生による授業評価の平均点は,それほど高くはありません。しかし,学生集団のどのレベルをみて授業をするか,が重要で,積極的な態度・姿勢の学生に注目して授業を進めれば,平均的な評価がそれほど高くならないことは経験的にわかっています。おかげさまで,僕の研究室をあえて選んでくる学生・院生は,前向き・積極的な勉学態度の人が多いです(まだまだ,伸びしろはありますが)。と,親バカみたいなブログになりました。もちろん,意識してプレッシャーをかけている面もありますけどね。
 先日の,生気象学会幹事会の東京出張の時に撮影した,東京メトロの転落防止柵です。これくらい徹底していると安心ですね。