大人に近づくこと

松原です。
 明日の修士研究中間発表会を前にして,本日は,発表のチェックのため出勤していました。実験も進行していますし,研究室は賑やかです。
 さて,研究室運営をする上で,どこまで社会を模擬するか,という問題があります。企業や官庁であれば,同じ組織の人間を敬称をつけずに呼びます。部下に限らず上司でもそうです。大学の研究室でも,外部の組織と連絡をとることは多いのですが,そのときに「その課題の担当をしているうちの○○が」と院生・学生を敬称略で呼ぶ教員も多いのですが,僕は「院生の○○君(さん)が,」と呼んでいます。給与の支払いを受けて働いている職員と授業料を納めて学んでいる院生・学生との違いがあるという判断です。
 しかし,同時に,研究室に配属されて以後の学生・院生に意識して欲しいのは,近い将来社会に出て働くわけですし,また成人式もすませているのですから,大人としてのマナーを身につけることです。きちんと挨拶をすること,話しかけられたら相手の方を向いて返事をすること,的確に意志を伝えてコミュニケーションをとること,組織の向上のための言動を心がけること,外部からの連絡を的確に伝えること,などです。かつては,大学教員が生活指導などをするものではない,高校までに終わっているべき事だ,と考えていましたが,数年前から考え方を変えました。「べき論」はどうであれ,教育者として注意するとよいことがあれば,する方がよいだろうと考えるようになりました。そのことが,就職活動にもプラスに働くという判断もあります。また,僕は学生に対して,あまり高圧的な態度はとらないのですが,相手の態度によらず,大人としての接し方ができることは大切ですね。高圧的な人に対しては低姿勢だが,謙虚な人には横柄な態度をするということは感心しません。常に冷静に論理的に行動して欲しいと思っています。もちろん,このことは,教員側にも求められることですし,なかなか難しいことでもありますが,少なくとも,社会常識を逸脱するような態度をしないことは努力をしてほしいと思います。
 大人と言う言葉で,もう少しコメントします。大学教員という職業は,若い院生・学生と接しているので,精神年齢は,同世代の人よりも低めです。同窓会のたびに感じます。企業や官庁で働いている友人と比較すると,貫禄が足りません。 


 北大路橋から上流を撮影してみました。「はてなダイアリープラス」にした恩恵として長編方向を200のサイズでアップしてみます。