建築学会の委員会

松原です。
 本日は,建築学会の環境工学委員会と環境心理生理運営委員会が開催されたので,終日東京に出張でした。学会の運営に関わるというのは,「行政的」な仕事で,あまり多くの時間をとりたくないという気持ちも少しあります。しかし,研究論文を執筆する側からすると,投稿した論文を査読する人がいないと学会の論文集が発行されませんし,大会発表をするにも発表の場を用意してもらわないと発表できません。誰かがやらなければならない仕事なので,それなりの負担をすることは,会員としての責務でもあります。もちろん,学会運営にどの程度のエフォートをとるのか,は大きな個人差がありますが,僕は僕なりの判断をしています。建築学会では,現在,環境心理生理運営員会の主査をつとめていて,次年度から2年間さらに続投することになりました。建築環境工学(最近は建築環境学という大学も増えていますが)という分野では,分野の成立過程からして,音・熱・空気・光などの物理的な挙動を研究する分野が圧倒的なのですが,次第にその空間で生活する人間のこころやからだにとって好ましい環境とはどういうものか,という心理生理的なことを研究する分野が増えてきました。環境心理生理運営員会というのは,後者の重要な委員会なので,こういう運営に関わることは,建築やインテリアなどをより人間に近づけることになるだろうと思ってがんばっています。
 運営という言葉に関連して,教員業績評価というものも,教育・研究・大学運営・地域貢献の4項目で評価することになっています。教員には,それぞれ得意なこと,好きなこと,できればあまりやりたくないこと等,がありますが,あるレベル以上にはしないといけない部分があるのです。大学教員は,授業がないときはヒマだと思っている学生さんもいるかもしれませんが,近年は,年中ヒマなしでがんばっているのです。「近年は」と書いたのは,僕が学生の頃の先生方の中には,週に1日しか大学に来ない人や,二日酔いで授業中に休憩をとっていた人もおられて,それが許される時代があったからです。