門内輝行先生退職記念講演(最終講義)

松原です。
 本日,表記の行事がブライトンホテルで開催されました。門内先生は,京都大学をご退職されて,4月から大阪芸術大学に勤務されているとのことです。異分野の先生の行事ではありますが,建築学会の京都の都市景観特別研究委員会等でお世話になっていたので,出席しました。講演題目は「人間-環境系のデザインの世界 建築・都市記号論とデザイン方法論の探求」です。「博識」という一言で説明できる方ではありませんが,たくさんの人名・概念が登場し,多くの業績が紹介される中で,もっとも強調されたのは,「要素のデザインから関係(システム)のデザインへ」ということでした。建築や,機械やプロダクト単体をデザインするというよりは,「それをとりまく関係性をデザインすることが重要である」という主旨です。全く聞いたことのない話ではなく,僕自身が講義している内容と関連する部分もあるのですが,多くの分野を統合するお仕事をされてこられた先生なので,勉強になる部分が多いのです。通常の最終講義では,できるだけメモをとるようにしていますが,今回は,講演の内容やご業績が記録された96ページにわたる冊子を帰りにいただけるということだったので,メモをとることを控えて,聞き入っていました。この歳になっても知的刺激を受けて,もっと頑張ろうという気にさせていただいたことが,収穫でした。